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ポリエステルでもNG!コート洗濯の3大リスクと修復不能な型崩れ

2025 12/08
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コート
2017年1月14日2025年12月8日
ポリエステルコートの洗濯
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「今年の冬もお世話になったお気に入りのコート。クリーニング代を節約したいし、家の洗濯機で洗えたらどんなに良いか」

誰もが一度は思います。

特に、タグを見て素材が「ポリエステル」だと知った瞬間、「水に強い素材だし、縮まないから自宅で洗えるのでは?」と考えるのは非常に自然な心理です。

しかし、クリーニングのプロやアパレル店員に聞けば、答えは多くのケースで「NO」です。

たとえ洗濯表示タグに「手洗いOK」や「洗濯機OK」のマークがあったとしても、コートの自宅洗濯は推奨しません。

理由はシンプルかつ深刻です。

素材自体が丈夫でも、コートという「製品の構造」が家庭用洗濯機の物理的な力に耐えられないからです。

本記事では、なぜポリエステル素材であってもコートを洗うべきではないのか、その「構造上の致命的リスク」を、繊維や縫製のメカニズムから徹底的に解説します。

また、どうしても洗いたい場合の判断基準や、クリーニング代を抑えつつコートを長持ちさせる「プロ級の洗わずケア」についても網羅しました。

リスクを知れば、大切なコートを洗濯機に入れるという選択肢は消え、正しいメンテナンスへの道筋が見えてくるはずです。

目次

ポリエステルのコートは洗濯できる?実は「素材」より「作り」が問題

ポリエステルのコートを洗濯するなら素材より作りが問題

結論から述べます。

ポリエステルという「素材」は洗えますが、コートという「製品」は洗えません。

多くの人が「ポリエステル=縮まない=洗える」と誤解しています。この誤解を解くために、まずは「素材」と「構造」を分けて考える必要があります。

ポリエステル素材の特性:なぜ「洗える」と誤解されるのか

ポリエステルは、石油を原料とする合成繊維です。綿やウールなどの天然繊維と比較して、以下のような「水に強い」特性を持っています。

  • 吸水性が低い:繊維の内部に水分を含みにくいため、水による膨張や収縮がほとんど起きない。
  • 速乾性が高い:脱水後の乾きが早い。
  • 形態安定性が高い:シワになりにくく、プリーツ加工などが落ちにくい。

確かに、ポリエステル100%のTシャツやスポーツウェアなら、洗濯機でガンガン洗っても問題ありません。しかし、これが「コート」になった途端、話は変わります。

コートの複雑な「構造」:異素材のパズル

コートは一枚の布ではなく、複数の異なる素材が何層にも重なり合い、複雑に縫製された「精密なパズル」のような構造物です。

パーツ名主な素材役割洗濯時の挙動リスク
表地ポリエステル、ナイロン等外見、防風、防水色落ち、毛玉、フィブリル化(白化)
裏地キュプラ、レーヨン、ポリエステル着脱の滑りを良くする、静電気防止水洗いで激しく縮む(特にキュプラ・レーヨン)
芯地(しんじ)不織布、樹脂、毛芯襟の立ち上がり、肩のライン、全体のフォルム保持接着剤の剥離、変形、ヨレ(バブリング)
中綿・ダウンポリエステル綿、羽毛保温偏り、固まり、ボリュームダウン
副資材ボタン、ファスナー、肩パッド留め具、シルエット補正破損、生地へのダメージ、サビ移り

一般的なコートの内部構造を見てみましょう。

ここで最大の問題となるのが、「素材ごとの収縮率の違い」です。

例えば、表地のポリエステルは水洗いで縮みませんが、裏地のキュプラは水を含むと繊維が膨潤し、乾くときに激しく縮む性質があります。

また、内部にある芯地は水分と遠心力で変形しやすい素材です。

これらを縫い合わせた状態で洗濯機という激しい水流の中に放り込むとどうなるでしょうか。

表地はそのままで裏地だけが縮んだり、芯地が折れ曲がったりします。

結果、コート全体が歪み、波打ち、二度と元の美しいシルエットには戻らなくなるのです。

ワイシャツが家で洗えるのは、最初から「洗うこと」を前提とした芯地と縫製で作られているからです。

対してコートは、雨に濡れることは想定していても、基本的に「洗濯機で回すこと」は想定されていません。

プロが警鐘を鳴らす!ポリエステルコート洗濯の3つの致命的リスク

ポリエステルコート洗濯の3つのリスク

素材と構造のミスマッチに加え、家庭洗濯にはさらに深刻な「修復不可能なダメージ」のリスクが潜んでいます。

コートの洗濯をやめたほうがいい決定的な3つの理由を解説します。

  1. 接着芯の剥離による「バブリング(水ぶくれ)」の恐怖
  2. 立体裁断が崩壊する「パッカリング(引きつれジワ)」
  3. 撥水・防汚機能の喪失と「逆汚染」

それぞれ詳しく見ていきます。

1. 接着芯の剥離による「バブリング(水ぶくれ)」の恐怖

洗濯失敗の中で最も恐ろしく、かつ修復不可能なのが「バブリング」という現象です。

コートの襟、ラペル(折り返し部分)、前立て(ボタンホールがある部分)、ポケットのフラップなどがパリッとして型崩れしないのは、生地の裏側に「接着芯(せっちゃくしん)」という補強布が貼られているからです。

この接着芯は、熱可塑性の樹脂(接着剤)で生地に圧着されています。

イメージとしては、「生地の裏に強力なアイロンシールが貼ってある状態」です。

洗濯機で洗うと、以下のストレスが同時にかかります。

  • 水流と攪拌(かくはん):生地を揉みくちゃにする物理的な力。
  • 浸透圧と洗剤:界面活性剤が接着樹脂の隙間に入り込む。
  • 脱水の遠心力:水分を含んで重くなった生地を強引に引っ張る。

これらにより、接着樹脂が部分的に剥がれてしまいます。すると、表地と芯地の間に空気が入り、表面がボコボコと浮き上がってきます。

これがバブリングです。まるで火傷の水ぶくれのように、コートの表面が波打って見えるようになります。

一度剥がれた芯地は、プロのクリーニング店が持つ強力なプレス機を使っても再接着できません。

「見た目がボコボコになったコート」を着て外出できるでしょうか? 答えがNOなら、洗濯機に入れるべきではありません。

2. 立体裁断が崩壊する「パッカリング(引きつれジワ)」

洗うこと自体は全自動洗濯機任せで簡単ですが、真に難易度が高いのは「乾燥」と「アイロンがけ(仕上げ)」の工程です。

Tシャツなどの平面的な服と違い、コートは人間の丸みのある身体に合わせて「立体裁断」され、縫製されています。

肩の丸み、ウエストの絞り、袖のカーブなど、すべてが計算された立体構造です。

洗濯機で脱水にかけると、この立体的な縫い目に強い力がかかり、縫い糸と生地が引きつれ合います。

これを「パッカリング」と呼びます。

縫い目に沿って細かく波打つような頑固なシワです。

この立体的なシワを伸ばし、元の美しいフォルムに戻すには、以下の条件が必要です。

  • 人体型プレス機:コートを内側から膨らませて立体的に仕上げる機械。
  • 大量の業務用スチーム:繊維の奥まで瞬時に蒸気を浸透させる。
  • バキューム機能:熱を与えた直後に急速に湿気を吸い取り、形を固定(セット)する。

家庭用アイロンの限られた蒸気量と平面的なプレスでは、この作業は不可能です。

無理にシワを伸ばそうとして高温でプレスすれば、ポリエステル繊維が溶けてテカテカになる「アタリ」が出てしまいますし、低温ではシワが全く伸びません。

結果、全体的にヨレヨレで、縫い目が波打ち、なんとなく貧相で安っぽいコートが出来上がります。

3. 撥水・防汚機能の喪失と「逆汚染」

多くのポリエステル製トレンチコートやアウターには、水を弾く「撥水加工(DWR)」や汚れを防ぐ加工が施されています。

この加工は、生地の表面に微細な柱のような構造を作り、水滴を支えることで効果を発揮します。

家庭での洗濯は、この機能を著しく低下させます。

  • 摩擦による劣化:洗濯時の摩擦で、撥水構造(微細な柱)が倒れたり抜け落ちたりする。
  • 柔軟剤や洗剤の残留:界面活性剤や柔軟剤の成分が生地表面に残ると、それが水を吸い寄せる性質(親水性)を持ち、撥水性を打ち消してしまう。

さらに怖いのが「逆汚染(リデポジット)」です。

洗濯中に一度水に溶け出した汚れが、再び衣類に付着することを指します。

ポリエステルは親油性(油となじみやすい性質)が高いため、洗濯液の中に溶け出した皮脂汚れや排気ガスの汚れなどを再吸収しやすいのです。

「洗ったはずなのに全体的に黒ずんで見える」「なんとなくグレーっぽくなった」というのは、この逆汚染が原因です。

クリーニング代を浮かせようとして、逆に「汚れやすく、雨に弱く、薄汚れたコート」にしてしまっては本末転倒と言えるでしょう。

それでもポリエステルコートを洗ってしまった…!実録・失敗事例集

コート洗濯失敗
管理人のコートクリーニング失敗事例です(汗)

「自分は手洗いモードで優しく洗うから大丈夫」「ネットに入れれば平気」と思うかもしれません。

しかし、実際に多くの方が失敗し、SNSやYahoo!知恵袋には後悔の声が溢れています。よくある失敗ケースを具体的に紹介します。

失敗ケース1:裏地だけ縮んで「袋状態」に

状況:表地ポリエステル100%、裏地キュプラ100%のトレンチコートを洗濯。

結果:表地のポリエステルは無事でしたが、裏地のキュプラが水洗いで5%近く縮んでしまいました。内側が寸足らずになったため、表地が余ってダブつき、裾から裏地が引っ張られて全体のシルエットがひょうたんのように崩れました。着ると裾がまくれ上がり、非常に見栄えが悪くなります。

失敗ケース2:濃色コートの「白化(チョークマーク)」

状況:ネイビーや黒のポリエステル/ナイロン混紡コートを洗濯機で脱水。

結果:洗濯機から取り出すと、袖や背中に白いチョークで書いたような線が無数に入っていました。これは「フィブリル化」と呼ばれる現象です。脱水時の激しい摩擦で繊維の表面が裂けて毛羽立ち、光を乱反射して白く見えるようになったのです。

これは汚れではないため、洗い直しても落ちません。一度白化した繊維は、二度と元の深い色には戻りません。

失敗ケース3:金属パーツによる「生地損傷」と「サビ移り」

状況:ベルトのバックルや金属ボタンがついたまま洗濯。

結果:回転中に重たい金属バックルが洗濯槽の壁に打ち付けられ、その衝撃でコートの生地が破れてしまいました。また、ボタンの裏側の金属が水に反応してサビが出て、生地に茶色いシミ(サビ移り)が付着。サビのシミは通常の漂白剤では落ちず、特殊なシミ抜きが必要になるため、結局クリーニング代以上の出費となりました。

どうしても家でポリエステルコートを洗いたい場合のチェックリストと手洗いマニュアル

ポリエステルコート洗濯チェックリスト

ここまでリスクを説明しても、

  • 子供が嘔吐してしまった
  • リサイクルショップで買った安物だからダメ元で洗いたい

といったのっぴきならない事情もあるでしょう。

どうしても洗わなければならない方のために、プロ視点での「洗濯可否判定」と「最小限のリスクで洗う方法」を解説します。

あくまで自己責任であることを了承の上、参考にしてください。

絶対に守るべき「洗濯可否チェックリスト」

以下の条件をすべて満たす場合のみ、家庭洗濯を検討してください。

一つでも当てはまらない場合は、迷わずクリーニングへ出してください。

  • 洗濯表示:タグに「洗濯機マーク」または「手洗いマーク」がある(桶にバツ印は絶対NG)。
  • 素材:表地・裏地ともにポリエステル100%、またはナイロンとの混紡である(ウール、カシミヤ、レーヨン、アセテート混はNG)。
  • 構造:芯地が使われていない(ウィンドブレーカー、薄手のマウンテンパーカー、キルティングジャケットなど)。
  • 付属品:ファー、レザー(合皮含む)、金属バックル、取り外せない装飾ボタンがない。
  • 状態:まだ新しい、または非常に大切にしているものではない。「最悪の場合、部屋着や近所の散歩用になっても良い」と割り切れる。

一般的なトレンチコートやチェスターコートは、芯地が使われているため、この条件を満たさないことがほとんどです。

リスクを最小限にする「手洗い」完全マニュアル

洗濯機は使いません。洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」であっても、コートにとっては水流が強すぎます。

手間はかかりますが、必ず自分の手で洗ってください。

準備するもの

  • おしゃれ着洗い用の中性洗剤(エマール、アクロンなど)
  • コートが浸かる大きさの容器(洗面台、タライ、綺麗な浴槽)
  • バスタオル 2〜3枚
  • 厚みのあるハンガー

洗濯

STEP
前処理

襟、袖口、裾などの汚れが目立つ部分に、洗剤の原液を少量つけ、指の腹で優しくなじませます。ゴシゴシ擦ると毛羽立つので注意してください。

STEP
押し洗い(短時間勝負)

容器に常温の水(30度以下のぬるま湯)を張り、規定量の洗剤を溶かします。畳んだコートを沈め、手のひらで優しく「押して、浮かせて」を繰り返します。これを20回〜30回程度行います。揉んだり擦ったりしてはいけません。繊維への負担を減らすため、洗いの時間は5分以内に留めます。

STEP
すすぎ

水を捨て、綺麗な水に入れ替えて再び押し洗いのようにしてすすぎます。泡が出なくなるまで、2〜3回水を替えて繰り返します。柔軟剤を使う場合は、最後のすすぎ水に入れます。

STEP
タオルドライ(脱水機は使わない)

ここが重要です。洗濯機の脱水にかけるとシワになります。浴槽のフチなどにコートを置いて自然に水を切り、その後、広げたバスタオルの上にコートを置きます。さらに上からバスタオルを被せてサンドイッチ状態にし、上から優しく押して水分をタオルに吸わせます。

STEP
整形と陰干し

厚みのあるハンガーにかけます。この時点で、手でパンパンと挟むようにしてシワを極力伸ばし、襟やポケットの形を整えます。縫い目を軽く引っ張って縮みを修正するのも効果的です。
直射日光を避け、風通しの良い場所で数日間かけて完全に乾かします。生乾きはカビや臭いの原因になります。

クリーニング代を節約しつつポリエステルコートを長持ちさせる自宅ケア

ポリエステルコートの自宅ケア

ここまで読んで「うわ、面倒くさい…」「やっぱりリスクが高すぎる」と感じた方へ。それが正解です。

実は、服を長持ちさせる最適解は「頻繁に洗うこと」ではありません。

「洗う回数を減らし、日々のケアで清潔を保つこと」こそが、プロも実践する衣類管理の極意です。

クリーニングに出すのはシーズン終わりの1回だけ。それまでは自宅ケアで乗り切るためのテクニックを紹介します。

1. 帰宅後1分の「ブラッシング」習慣

これが最も効果的で、最もコストパフォーマンスが高いケアです。

コート用ブラシ(豚毛や馬毛)でブラッシングするだけで、表面についた花粉、ホコリ、排気ガスの微粒子を落とせます。

排気ガスやホコリは放置すると湿気を吸ってカビの原因になったり、酸化して変色の原因になります。

  • ブラシの選び方:化学繊維(ポリエステル)には、静電気が起きにくい「豚毛」がおすすめです。ウールやカシミヤには柔らかい「馬毛」を選びましょう。
  • 手順:
    1. まず「下から上へ」ブラシをかけ、繊維の奥のホコリをかき出します。
    2. 次に「上から下へ」ブラシをかけ、毛並みを整えます。

2. 厚手ハンガーでの「陰干し」ローテーション

着用直後のコートは、体温による温かさと汗による湿気を含んでいます。このままクローゼットという密閉空間に入れるのは、カビを培養するようなものです。

帰宅したら、風通しの良い場所(カーテンレールなどはNG、部屋の鴨居やハンガーラック)に一晩吊るして「湿気抜き」をしましょう。

また、針金ハンガーは厳禁です。重みで肩に跡がつき、型崩れします。100円ショップのもので構わないので、必ず「肩に厚みのあるジャケット用ハンガー」を使用してください。

3. 臭い・シワ対策の最強兵器「スチームアイロン」

焼肉やタバコの臭いがついた時、消臭スプレー(ファブリーズなど)を吹きかけていませんか?

消臭スプレーは臭いを包み込みますが、汚れを取り除くわけではありません。

かけすぎると液剤が輪ジミになるリスクもあります。

おすすめは「スチームアイロン(衣類スチーマー)」です。

コートから少し浮かせた状態で、たっぷりと蒸気を当ててください。

微細な高温スチームが繊維の奥まで入り込み、臭いの粒子を吸着して、蒸発する際に一緒に連れ去ってくれます。

同時に、着用ジワを伸ばし、熱による殺菌効果も期待できます。

4. 襟・袖の皮脂汚れを落とす「叩き洗い」テクニック

全体を洗わなくても、汚れるのは肌が触れる「襟」と「袖口」がほとんどです。

ここだけを部分洗いすれば、コートへのダメージを最小限に抑えられます。

  1. 水で薄めた中性洗剤を用意します。
  2. 白いタオルを浸して固く絞り、汚れた部分をトントンと優しく叩きます(擦らないこと)。
  3. 汚れがタオルに移ったら、次は水だけで濡らして絞ったタオルで、洗剤成分が残らないように入念に叩き拭きします。
  4. 乾いたタオルで水分を吸い取り、しっかり乾燥させます。

プロに任せるべき理由と賢くポリエステルコートをクリーニングするためのお店の選び方

ポリエステルコートクリーニング店の選び方

日々のケアで状態を維持し、シーズン終わりにはプロに任せる。

これが最も経済的でコートを愛せるサイクルです。

クリーニング店のドライクリーニングは、水を使わず、特殊な有機溶剤(石油系など)で洗います。

油性汚れ(皮脂、排気ガス、化粧品)を強力に落としつつ、繊維を膨潤させないため、型崩れや縮みが起きません。

賢いオーダーのポイント

  • 汗をかいたシーズンは「ウェットクリーニング(汗抜き)」:
    ドライクリーニングは汗などの水溶性汚れが苦手です。汗汚れが気になる場合は、オプションで「汗抜き加工」や「ウェットクリーニング(プロによる水洗い)」を追加しましょう。
  • トレンチコートには「撥水加工」:
    クリーニングの仕上げに撥水加工をつけることで、汚れ防止効果も復活します。次のシーズンの汚れ落ちも良くなります。

コスパ重視なら「宅配クリーニング」も検討を

「コートのクリーニング代が高い」と感じるのは、店舗型の単品料金を見ているからかもしれません。

最近人気の「宅配クリーニング」の多くは、「5点パック」「10点パック」といったパック料金設定です。ダウンコートもウールのロングコートも一律料金で出せるため、コート類をまとめて出すと、1着あたり1,000円〜1,500円程度に収まることがよくあります。

ウールコートのクリーニング料金は36社平均で2,200円くらいです。

さらに、次のシーズンまで預かってくれる「保管サービス」が無料のところも多いため、クローゼットのスペース確保にも役立ちます。

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ポリエステルコートの洗濯に関するよくある質問(FAQ)

最後に、コートの洗濯に関してよくある疑問に回答します。

ダウンコートなら家で洗えますか?

ポリエステルの中綿やダウンで、キルティング(縫い目)が入っているタイプは、比較的家でも洗いやすいです。芯地が使われておらず、キルティングによって中身の偏りが防げるからです。ただし、表地がウールやレザーのものはNGです。また、乾燥機を使って中の羽毛をふわっと広げる工程が必要になるため、乾燥機がない場合は推奨しません。

ファブリーズなどの消臭スプレーは洗う代わりになりますか?

なりません。消臭スプレーはあくまで「一時的な消臭・除菌」であり、皮脂汚れやホコリを除去する洗浄効果はありません。かけすぎると薬剤が繊維に蓄積し、ベタつきや変色の原因になります。

クリーニングに出す頻度はどのくらいが良いですか?

基本的には「シーズン終わりに1回」で十分です。ただし、明るい色で汚れが目立つ場合や、飲み物をこぼしてしまった場合などは、その都度出すようにしましょう。汚れは時間が経つほど酸化して落ちにくくなります。

まとめ:大切なポリエステルのコートは迷わずクリーニングへ

ポリエステルコート洗濯まとめ

ポリエステルコートの自宅洗濯は、数百円の節約のために数万円のコートを失う「ハイリスク・ローリターン」な行為です。

最後に、クリーニングと自宅洗濯のコストパフォーマンスを比較してみましょう。

項目クリーニング(約2,200円)自宅洗濯(約100円)
仕上がり立体的・新品に近い風合いシワが残り、平面的になりがち
所要時間0分(持ち込みのみ)約60分(洗い・干し・アイロン)
リスクほぼゼロ(補償あり)全責任は自分(失敗=数万円の損失)
機能維持撥水・防汚加工が可能機能低下、逆汚染のリスク
保管防虫・防カビ環境で保管可能(オプション)完全に乾燥させないとカビのリスク

3,000円というクリーニング代は、単なる洗濯代ではなく、

来年も綺麗な状態で着るための「必要経費」であり「投資」と言えます。

大切な一着を長く愛用するために、日々のブラッシングと陰干しでケアをしつつ、最後はプロの技術を頼ることを強くおすすめします。

コートと自宅洗濯の違いをもう少し詳しく知りたい方や、コートクリーニングでわからないことがあれば、以下の記事を参考にしてみてください。

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