嘔吐クリーニング
初心者

コートに嘔吐物がついてしまったら、そのままクリーニング店に持って行っても平気なの?

ふと、そんな疑問を感じたことはありませんか?実は、クリーニング店だから何でも洗える対応できる訳ではないのです。

そこで今回は、コートについた嘔吐物をクリーニング店に出せるかどうかについて確認していきましょう!

吐瀉物がついたコートはクリーニングに出しても平気?

クリーニング平気

コートだけではありませんが衣類に嘔吐物がついてしまった場合、そのままクリーニングに持って行っても平気なのでしょうか。

実は、嘔吐物がついたコートなどの衣類を一般的なクリーニング店で洗うことは認められていません

これは、クリーニング法にも定められていることなのです。

(営業者の衛生措置等)
五  伝染性の疾病の病原体による汚染のおそれのあるものとして厚生労働省令で指定する洗濯物を取り扱う場合においては、その洗濯物は他の洗濯物と区分しておき、これを洗濯するときは、その前に消毒すること。ただし、洗濯が消毒の効果を有する方法によつてなされる場合においては、消毒しなくてもよい。

嘔吐物がついたコートなどの衣類は、指定洗濯物取扱施設として認められている施設しか取り扱うこうとができません。つまり、消毒ができる設備を備えたクリーニング店と認められたところでしか取扱いができないのです。

そのため、一般的なクリーニング店に持って行っても取扱い除外品として返却扱いになるでしょう。

なぜ嘔吐物のついた衣類はクリーニング店で洗ってもらえないの?

なぜ洗ってもらえないのか

なぜ、コートなどの衣類に嘔吐物がついてしまった場合、指定洗濯物取扱施設と呼ばれるところでしかクリーニングができないのでしょう…。もちろん、クリーニング法で認められていないという理由が大前提に挙げられます。しかしその他にも、以下のようなことが考えられるためではないでしょうか。

クリーニング不可の理由
  • 嘔吐物の汚れが、他の衣類に付着する危険性がある
  • 嘔吐物と一緒に病原菌が付着している可能性があるため
  • 嘔吐物がついた服をクリーニング店で洗う場合、適切な処置をしないとウィルス感染を起こす危険性があるから

衣類は人の肌に直接触れるものですから、クリーニングする環境も常に安全面や衛生面に配慮された状態だという必要があります。それゆえに、クリーニング法で細かな規定を定めて各クリーニング店の安全面や衛生面を確保しているのでしょう。

コートに嘔吐物がついた時の「応急処置方法」とは?

応急処置

もし、コートなどの衣類に嘔吐物がついてしまった場合、応急処置はどのようにすれば良いのでしょうか。具体的な方法についてご紹介します。

用意するもの

嘔吐物のついた衣類に触れる必要があるため、菌や汚れの感染を防ぐためにマスク、ゴム手袋、エプロン、を用意します。このとき、服装は破棄しても良いジャージなどを着用するのがおすすめです。

洗い方

まずはタライの中に水と洗濯用洗剤を混ぜて、嘔吐物のついたコートを入れましょう。そして、できるだけ飛沫が飛ばないように優しくもみ洗いします。

消毒

タライを綺麗に洗った後、軽く沸騰させたお湯を入れます。その中にもみ洗いしたコートを1分ほど浸けて殺菌消毒しましょう。

乾燥

浸けておいたコートをお湯の中から取り出して水気を切りましょう。服から水気が出なくなったら日陰などに干して十分に乾かします。このとき、お湯の中に手を入れてしまうと火傷の危険性があります。水を入れるなどしてからコートを取り出すと良いでしょう。そして、使用したマスクやゴム手袋は袋に入れて破棄してください。

どうしたらクリーニングしてもらえる?

クリーニングお願い

嘔吐物がついてしまったコートをクリーニングしてもらうにはどうすれば良いのでしょう。具体的には、指定洗濯物取扱施設のクリーニング店に依頼する
方法しかありません…。

ちなみに自分で嘔吐物を取り除き消毒処理をしたら、クリーニング店で洗ってもらえるのでしょうか?

結論としては、洗浄可否はクリーニング店によって異なるようです。

基本的に嘔吐物がついた衣類を消毒してから洗う場合、他の衣類と一緒にせず単体で洗浄することが望ましいとされています。ですからクリーニング店が洗えると回答しても、1回目は単体洗いをして2回目に通常クリーニングをするなどの対応が必要となるため、倍のクリーニング代金がかかる可能性も否定できません。

まずは、利用を検討しているクリーニング店に問い合わせて以下のことを質問してから選ぶことをおすすめします。

利用前にクリーニング店に確認すべきこと
  • 指定洗濯物取扱施設であるかどうか
  • 自分で消毒や汚れを除去したら洗ってもらえるのか
  • もし洗浄可能な場合、クリーニング料金はどうなるのか

コートに嘔吐物がついたらまずは「応急処置」をしよう!

まとめ

嘔吐物がついたコートを洗ってもらう場合、指定洗濯物取扱施設として認められているクリーニング店に出す必要があります。そのため、クリーニングを利用する前に指定洗濯物取扱施設かどうか問い合わせてみると良いでしょう。

もし、すぐにクリーニングに出せない場合は、今回ご紹介した応急処置を施しておくことも有効な手段と言えます。

下記に、コートに嘔吐物がついてからクリーニングに依頼するまでの流れをまとめてみました。ぜひ、参考にしていただければ幸いです。

コートに嘔吐物がついてしまったときの対応流れ
  1. 嘔吐物のついたコートも洗える「指定洗濯物取扱施設」かどうか利用を検討しているクリーニング店に確認する
  2. もし、「指定洗濯物取扱施設」がすぐに見つからない場合、汚れがコートに残らないように応急処置をしておく
  3. 応急処置済みのコートを洗ってもらえるかクリーニング店に確認する
  4. 特別料金などがかかるか確認する
  5. 嘔吐物がついたコートだけ個別の袋に入れてクリーニング店に持って行く

そもそも指定洗濯物取扱施設ってどうやって調べるの?

これですね。おそらく皆さんが知りたいのはコレだと思います。が、

ネットで調べることはできませんでした

全力でいろいろな言葉で検索かけましたが「指定洗濯物取扱施設一覧」的なモノは見当たりませんでした(哀)。

ネットで調べるのが当たり前の時代にあって、ここまで情報が出てこないのも珍しいです。

施設数だけはわかりましたので記載しておきますと、

  • 指定洗濯物を取扱う施設数:3,292店
  • クリーニング店総数:113,567店
  • 割合:2.9%

※引用元のファイルはスマホでアクセスできないPDFのようですので、スマホの方は店舗数だけ参照頂ければと思います

5年前の資料ですので、やや古いのですが、どのくらいあるのかの参考にはなるかと。

ちなみに「指定洗濯物取扱施設」の認可は、お店ごとに申請するようです。

つまり、白洋舎やポニーといったチェーン店でも、受付可能なお店とそうじゃないお店があるってことですね。

おそらくですが、いったんお店の施設で消毒を施したあと、クリーニング工場に送る、という流れになっているかと思われます。

注目点は、全クリーニング店に対する指定洗濯物を取扱う施設数の割合。

約3%です…。

ネットで調べることができないため、近所のクリーニング店にかたっぱしから電話をかけたとして、ヒットする確率は3%。33店に1店です。

ちょっとこれ…現実的じゃないですよね…

ただでさえ、吐瀉物の処理にいっぱいいっぱいな中、電話しまくって3%っていう。

そのため、先ほどご紹介した「流れ」の2.以降をされるのがリアルな対応かと思われます。もしくはお近くの「保健所」に電話して確認してみましょう。

ちなみに、宅配クリーニングでは「指定洗濯物取扱」できる業者はありません。少なくとも私は知りません。

ご自身で処置をされたあとなら宅配クリーニングでも大丈夫かと思いますが、念のために「備考」欄にでも自己処置した旨を記載しておくと確実かと思います。

処置された後の通常のクリーニング料金は、以下を参考にしてみてください。

嘔吐は、食べたもの、飲んだものによってもシミの種類が変わってきますので、場合によってはシミが残ってしまうことも覚悟しないといけないかもしれません。

ご自身で処置をしている間に、移染や色落ち、縮みなどが発生する可能性もあります。

いったんクリーニングされた後、どうしても元のコンディションに戻したい!という思いがおありなら「キレイナ」を利用されることも検討してみてください。

各種特殊シミ抜き・復元・色掛けなどにも対応したスーパークリーニングです。その分、お値段もスーパーですが…。

安い洋服でしたら、捨ててしまうのが早いと思いますが、思い入れのあるコートなどですと、そういうわけにもいかないですよね。

処置にクリーニングにと、大変だとは思いますが、なんとかお洋服がキレイになることを願います。