
普段着物を着られない方、
- 成人式や卒業式用に着物を買った
- 七五三で使った着物
- 引っ越そうと思って荷物を整理してたらタンスから着物が出てきたどうしよう
こういった方にとって、着物のクリーニング代ってよくわらかないですよね。着物のクリーニングは少し特殊で、用語も独特だったりします。

とんでもなく高いようなら売ったほうがいいのかな…
着物は値段が高い分、クリーニング料金もそれなりです。では、一体どのくらいかかるんでしょう?
この記事では、わかりづらい着物のクリーニングについてお話していきます。洗いの種類や料金相場。おすすめの業者もご紹介していきますね。
七五三に絞った記事は別途記載しておりますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
七五三は子供が主役の大事な行事。終わったら着物は綺麗にして仕舞っておきたいですよね。 とはいえ、着物はクリーニング料金がわかりづらいうえに高いという厄介な代物。 そこで、この記事ではクリーニングに出す際のポイントと料金相 …
まずは着物の洗い方を知りましょう
料金比較に行く前に、着物の洗い方を知っておきましょう。大きく分けると2種類。
- 丸洗い・京洗い
- 水洗い・洗い張り
もう少し詳しく見てみますと、
【洗い方1】丸洗い・京洗い
いわゆるドライクリーニングみたいなものですね。水を使わずに着物を洗います。すごくキレイな石油で洗うイメージです。
普通の洋服と同じで、丸洗いでは、水溶性の汚れは落ちません。
水溶性の汚れ、すなわち「汗」ですね。
汗は、
- シミ
- カビ
- 黄ばみ
といった、見るのも聞くのもイヤなトラブルの原因になります。
丸洗いという名前だけを聞くと汚れを全て落としてくれそうなイメージがありますが、汗を落とすには「汗抜き加工」というオプションをつける必要があります。
汗のついている箇所を水や特殊な洗浄液を使って落としていく作業ですね。
着物を着ていて汗をかかない、というシチュエーションはとても稀だと思います。そのため、「丸洗い+汗抜き加工」で売っている業者さんが多いですし、これが現実的なメンテナンス方法だと思います。
繰り返しますが、丸洗いのみでは汗は落ちないということを頭に入れておきましょう。
【洗い方2】水洗い・洗い張り
着物をほどいて水でじゃぶじゃぶ洗っちゃおう、という洗い方です。長い間着ていなかった着物に使われることが多いですね。
手間ひまかかる分、料金もかなり高額です。洗い終わった後、着物に戻します。この仕立て直しでさらにお金がかかります。そのため、基本的にこの洗い方をすることはないと思ってください。
また、洗い張りに対応している業者も少ないです。
【補足】着物のシミ抜きについて
着物にシミができてしまった、あるいは発見した場合、シミ抜きを依頼することになります。
まず、他の衣類と同様にシミ抜きだけを依頼することはできません。探せばあるのかもしれませんが、多くの業者ではクリーニングがメイン、シミ抜きはオプションで取り扱っています。このあたりは他の衣類と同じですね。
次に、いくらかかるのか?なのですが、近年スタンダードになりつつある「無料シミ抜き」。シミの種類と経過時間、そして業者によっては無料でシミ抜きしてくれます。
無料シミ抜きの対象になるのは油溶性の汚れのみ。油溶性の汚れの代表的なものは、
- ファンデーションや口紅
- 皮脂
- 泥はねなど
上記のうち、あまり時間が経っていない汚れ、具体的には1ヶ月以内くらいのシミであれば無料で落としてくれる業者が多いです。
なぜかといいますと、丸洗いをすることでついでに落ちることが多いため。丸洗いは石油のようなもので洗うと先ほどお話ししましたが、つまり油溶性の汚れに強いんですね。
多少の下準備は必要になると思いますが、油溶性の汚れは丸洗いの過程で落ちてくれることが多いです。そのため、無料でシミ抜きしてくれる業者も多いわけですね。
逆に厄介なのは水溶性のシミ。お酒や血液、インクなどですね。
着物の多くは正絹です。つまりシルク100%です。シルクはシミ抜きが非常に難しい素材のひとつ。そのため、高い技術力が必要ですし手間がかかります。つまり高額になります。
シミは範囲や種類、そして経過からの時間で落とせるかどうか、落とせるならどのくらいの手間が必要になるのかが決まります。そのため、いくらかかるのか?なんともいえないところですが、一つの目安として
軽度のシミ | 1,000円~3,000円 |
---|---|
重度のシミ | 5,000円~30,000円 |
カビ | 5,000円~20,000円 |
このくらいでしょう。要見積という業者も多いため、写真を撮ってメール、ないし電話されるのが確実かと思います。
着物クリーニングのたった1つの注意点
着物をクリーニングに出す際の最大の注意点は、
入口の金額に惑わされないこと
入口の金額というのは、初期金額ですね。丸洗い3,000円みたいなイメージです。
着物のクリーニング代は他の衣類以上に幅が広く、業者によって大きく幅があります。たとえば、丸洗い3,000円なのに汗抜き加工が10,000円だったり、着物本体は安いのに襦袢や帯がやたら高いといったケースも。
そのため、入口が安いからここにしよう、ではなくトータルでいくらかかるのか?で判断する必要があります。
また、逆のケースで入口が高いこともあります。「着物クリーニング8,000円」といったケースですね。

これだけ高ければ汗抜き加工もしてくれるんじゃないかな?
と確認しないでクリーニングに出すのは危険です。
着物クリーニングは特殊クリーニング扱いであり、受付だけして別の業者に委託しているケースが多々あります。つまり中間マージンが上乗せされてクリーニング代が高くなっているんですね。これは呉服屋とかでもありがちなケースです。
以上のことから、着物のクリーニングは他の衣類以上に宅配クリーニングの利用をおすすめします。
着物クリーニング専門店に依頼すれば中間マージンで価格が上がることはありません。また、公式ホームページが充実している業者なら、何にいくらかかるのか?すぐにわかりますし、他の業者と比較しやすいです。
入口の金額に惑わされないで済むわけですね。
近所のお店を利用される際も、トータルの金額をしっかり把握してからクリーニングされることをおすすめします。
着物のクリーニング安いのは?15社の料金比較
着物は本当にいろいろな種類があり、洗い方も先にお話したとおり2種類あります。
全部比較するのは難しいため、成人式や入学式、卒業式や初詣(未婚の方)で着ることが多い
「振袖+長襦袢+袋帯」を「丸洗いのみ」、「丸洗い+汗抜き」でクリーニングに出した場合それぞれいくらくらいかかるのか?
の料金を比較していきますね。
初詣(既婚の方)などで着ることが多い訪問着については七五三の母親に料金を記載しています。また、男性については「羽織+着物+袴+角帯+長襦袢」がスタンダード。こちらについても七五三の父親に料金を記載しています。参考にしてみてください。
2022年10月時点の料金(税込)を比較します。最新の情報については公式をご確認ください。
合計金額
業者 | 丸洗い | 丸洗い+汗抜き |
---|---|---|
アライバ | 7,678円 | 14,058円 |
そめの近江 | 8,250円 | 18,150円 |
きもの工房なぎさ | 8,910円 | 13,310円 |
kimono5298 | 11,000円 | x |
つるや | 11,110円 | 22,000円 |
きものtotonoe | 17,160円 | 19,140円 |
Kimonostyle | 20,570円 | 14,300円 |
ヤングドライ | 20,900円 | 28,160円 |
キレイナ | 23,100円 | △ |
きもの辻 | 24,200円 | 42,900円 |
わ蔵 | 26,950円 | 26,950円 |
白洋舎 | 27,280円 | x |
リナビス | 27,500円 | 40,700円 |
リネット | 28,512円 | △ |
ワードローブトリートメント | 42,680円 | △ |
「そめの近江」は首都圏のみのチェーン店です。宅配は行っていませんのでご注意ください。
また、汗抜きは、要見積もりの業者や条件付きの業者があります。「△」の業者は要見積もりや条件付きで汗抜き可の業者。「x」の業者は汗抜き加工なしです。以下に補足しておきますので、気になる業者があれば問い合わせてみましょう。
リネット | 初回利用では汗抜き不可。2回目以降の利用時にオプション:ディープクレンジング仕上げ(+990円)を付加することで対応可能 |
---|---|
キレイナ | 汗抜きは別途見積もり |
ワードローブトリートメント | 汗抜きは別途見積もり |
kimono5298 | 汗抜きオプションなし |
白洋舎 | 汗抜きオプションなし。ただし汗をかく部分はシミにならないよう処理してもらえるとのこと(電話にて確認)。 |
内訳(タブで切替できます)
業者 丸洗い 丸洗い+汗抜き きもの工房なぎさ 3,190円 5,390円 そめの近江 3,300円 6,600円 kimono5298 3,850円 x アライバ 4,378円 7,568円 つるや 4,950円 9,900円 きものtotonoe 7,920円 10,230円 Kimonostyle 8,250円 11,550円 ヤングドライ 9,900円 12,320円 わ蔵 11,000円 11,000円 きもの辻 13,200円 22,000円 白洋舎 14,300円 x リネット 14,740円 △ キレイナ 16,500円 △ リナビス 16,500円 20,900円 ワードローブトリートメント 23,100円 △ 業者 丸洗い 丸洗い+汗抜き アライバ 1,650円 x そめの近江 2,640円 5,940円 きもの工房なぎさ 2,750円 3,850円 つるや 3,080円 6,050円 kimono5298 3,300円 x キレイナ 3,300円 △ きものtotonoe 4,620円 6,600円 ヤングドライ 5,500円 7,920円 きもの辻 5,500円 11,000円 リナビス 5,500円 9,900円 Kimonostyle 6,160円 9,460円 リネット 7,447円 △ 白洋舎 7,700円 x わ蔵 8,250円 8,250円 ワードローブトリートメント 9,680円 △ 業者 丸洗い 丸洗い+汗抜き アライバ 1,650円 4,840円 そめの近江 2,310円 5,610円 きもの工房なぎさ 2,970円 4,070円 つるや 3,080円 6,050円 キレイナ 3,300円 △ kimono5298 3,850円 x きものtotonoe 4,620円 6,600円 白洋舎 5,280円 x ヤングドライ 5,500円 7,920円 きもの辻 5,500円 9,900円 リナビス 5,500円 9,900円 Kimonostyle 6,160円 9,460円 リネット 6,325円 △ わ蔵 7,700円 7,700円 ワードローブトリートメント 9,900円 △
まとめ
なんとなく料金相場はわかりましたでしょうか。おおむね15,000円~25,000円くらいが一般的なレンジ。高級クリーニングになると40,000円~といった感じですね。
「丸洗いのみ」全15社の平均価格は、20,387円。「丸洗い+汗抜き」は、料金が明記されている全10社の平均価格を算出すると23,967円。
いずれの場合も料金面で見るとアライバのコスパの高さが光ります。着物クリーニング専門店ならではの価格に加え、創業55年、年間20万枚洗っている実績。料金面で検討するなら最初に候補に挙がる業者です。注意点としては、帯の汗抜きは取り扱っていない。帯も汗抜きをしたいなら問い合わせてみるか、他の業者を検討してみましょう。
着物クリーニング業者を選ぶときの3つのポイント
ここまでで着物クリーニングについての基本的なことはおさえられたと思います。
ここからは、実際にクリーニング業者を選ぶときにおさえておきたいポイントについてお話していきますね。ポイントは以下の3点。
- 実績
- 料金が明確
- 保証
1.信頼できる業者なのか?実績は?技術は?
着物クリーニングに限らず、宅配クリーニングは店舗に行くわけではないので相手が信用できるかどうかわからないんですよね。
そのため、ネットでの情報が命綱になります。公式が充実していることは絶対条件。
そのうえで年間〇枚、累計〇枚といった着物を洗っている実績、創業〇年といった歴史、実店舗や自社工場を構えているかどうかが大切になります。
技術力のある業者はクリーニング工程やシミ抜き例を開示していますので、そこでも判断が可能です。
2.料金体系はわかりやすく明確か
料金体系が曖昧な業者は、後付けで請求が来る可能性が高いです。
汗抜きまでついているのかと思ったら実は丸洗いのみで汗抜きは別料金、といったケースもままあります。
公式に記載されている金額は袷の金額で、振袖をクリーニングに出したら倍になった!なんてことも。
そういった事態を避けるためには料金や取扱除外品についてしっかりと記載されている業者を利用するか、クリーニング前に連絡をくれる業者を選ぶとよいでしょう。
1点1点カルテを作成し、クリーニング前に写真を送ってくれる業者だとなお良いですね。
3.再仕上無料など保証がしっかりしているか
保証がなく賠償基準が記載されていない業者は基本的に論外です。少なくとも賠償基準が公式の見えるところに記載されている業者を選びましょう。
賠償基準を細かく内容までチェックする必要はありません。割と読み慣れている管理人でも読むのは疲れます(汗)、お堅い文章なので。
目に入るところに記載されている業者なら大きく外れることはありません。
再仕上は受付期間は長ければ長いだけ良いですが、7日以上であれば基本的にOKです。再仕上無料だけでなく返金保証もついていればなお良いですね。
着物のクリーニング代は高くなりがちなため、毎回返金などしているとあっという間に会社がつぶれてしまいます。
大事なのは保証そのものではなく、そこまでしても良いくらい品質に自信があるということ。保証が厚い業者は信頼につながります。
着物をクリーニング!おすすめはドコ?
先にお話しした3つのポイントを踏まえてのおすすめは「きものtotonoe」です。着物クリーニングno.1を目指しているだけあり実力が頭一つ抜けています。
- 年間6万点キャンペーン中:22~24%OFF
- コスパが高くわかりやすい料金体系
- 無料再仕上・30日間返金保証つき
- シミ抜きに強く特殊シミ抜きにも対応
- 最短納期一週間(有料)のスピード感
着物を着慣れていない方にとって、着物・襦袢・帯の種類ってわかりづらいですよね。そういった方でも利用しやすいように、きものtotonoeには便利なセットがあります。
たとえば、丸洗い3点セットですと「着物各種+長襦袢+帯」で12,870円。オプションで「汗抜き加工」をつける、といった具合ですね。
着物なら振袖・留袖・色無地・喪服どれでも同じ料金。襦袢や帯も同様です。わかりやすいですよね。かといって割高なわけでもなくリーズナブルなのも良いところ。
また、着物のクリーニングには珍しく一週間以内なら無料で再仕上、30日間返金保証がついています。
着物のクリーニングは高額になりがち。そのため、保証がついてない業者が多いのですが、きものtotonoeは保証がしっかりしています。つまりは、保証をつけても大丈夫なくらい品質に自信があるということですね。
数万円のクリーニング代を毎回返金していたら、あっという間に会社が潰れてしまいますから。
着物クリーニングの基準になる業者が「きものtotonoe」。他の業者を利用する際も、きものtotonoeを基準にされるとよしあしの判断をしやすいと思います。
着物クリーニングにかかる時間は?
着物クリーニングにかかる時間はおおむね3週間~1ヶ月くらいです。ただしこれは丸洗いのお話。
汗抜き加工をつけることで1ヶ月~2か月程度、シミ抜きをすると状態によっては2~3ヶ月延びることも。
また、初詣・成人式がある1月、卒業式や入学式がある3月、4月の前後は繁忙期であり、その時期にクリーニングに出すとさらに納期が延びることもあります。
このように、着物はクリーニングに出してみないとどのくらいの時間がかかるか読みづらいです。
そのため、出来る限り「着る前クリーニング」ではなく「着た後クリーニング」に出したいところですね。そのほうが汗やシミも落ちやすいですし。
どうしても急ぎの場合は、丸洗いのみになりますが納期短縮オプションがある業者にお願いしましょう。
先ほどご紹介した「きものtotonoe」なら+1,100円で最短一週間でクリーニングしてくれます。
着物クリーニングでつけておきたいオプション
必要に応じてつけておきたいオプションは2種類あります。
- 防水加工
- 保管
防水加工
業者によって「パールトーン加工」「ガード加工」「撥水加工」など、呼び名は異なりますが「水を弾く効果」です。
洗い方のところでもお話ししましたが、着物クリーニングの基本である丸洗いは油溶性の汚れには強くても水溶性の汚れに弱いんですね。
その水溶性の汚れを弾いてくれるのが防水加工です。とても重要な加工なので、出来る限りつけておきたいところ。
料金はおおむね5,000円~10,000円です。毎年とまで言わないまでも、数年に一回はつけておきたいオプションです。
保管
着物をクリーニング後に預かってもらえるサービスです。
多くの方にとって、着物は着る機会が限られています。そのため、当分着る予定がないならプロに専用の保管室で預かってもらおうというわけですね。
そうすることで自宅のクローゼットがすっきりしますし、虫食いやカビが発生していないか管理する手間からも解放されます。
保管期間ですが、多くの業者では最長1年です。ただ、中には5年以上保管可能な業者も。
オプションを付与するならおすすめの業者は?
先に、おすすめの業者は「きものtotonoe」というお話をしました。ただし「きものtotonoe」は「防水加工」「保管」をつけることができません。
そのため、オプションを付与するならおすすめの業者は「アライバ」です。
- 創業55年、東証マザーズ上場
- 防水加工(ガード加工)含めたコスパが高い
- 保管は無期限。初年度無料、2年目以降は1,078円~
「振袖+長襦袢+袋帯」「丸洗い+汗抜き」の料金比較では最安の14,058円。防水加工(ガード加工)も一着あたり5,500円とリーズナブルです。
保管においては初年度無料、2年目以降は1,078円~とこちらもリーズナブル。
安いというと品質が気になるところですが、アライバは創業55年の老舗。一点一点カルテを作成してからクリーニングに入る丁寧さ。年間20万着をクリーニングしている着物クリーニングの大手です。
上記の理由から、「防水加工」「保管」オプションを付与するならコスパに優れた「アライバ」がおすすめです。
まとめ
着物をクリーニングに出す際に、迷ってしまいがちな洗い方やオプション、業者の選び方や料金相場についてお話してきました。
また、おすすめの業者についてもお話ししていますので参考にしていてください。
着物はトップクラスに高い衣類であると同時に、イベントで着ることが多いため思い出が詰まっていることも多いと思います。
うまくお手入れして長持ちさせてあげたいですね。